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はじめに
道具
作法・ルール
タイムシートについて
トレス・クリンナップ
動画作成の手順
中割のテクニック
実例@:目パチ
・口パク
実例A:振り向き
実例B:歩き
実例C:走り
実例D:波送り〜しなり
実例E:エフェクト
-作例集-
TIPS!
思いつき作例集
あとがき・参考資料
実例@:目パチ・口パク
ストーリー主体のキャラクターアニメーションにおいて一番多用するのが言うまでもなくこの二つ。
単純なようでいて約束事はそれなりにある。

目パチ
開き目・閉じ目は原画で描かれるので動画はその中割をする。大抵は中一枚で、開き目の方に詰めた中割をする。

作例では
開き目→閉じ目→中目→開き目
の順に組んであるが、閉じる時にも中目をはさむ場合もある。

場合によっては閉じる時と開く時で別の中割を指定される場合もある



















中目のコツとしては瞳も若干、まぶたに合わせて下にずらすと良い。実際の人間の動きとしてはあり得ないのだが、三白眼にならない様に見た目優先で仕上げる。
目パチ例

目パチセル

中目の注意点
下は開き目と同じ位置に瞳があるため、三白眼気味に見える

目パチのタイミングについて
管理人が印象に残っているのが“機動戦士ガンダムVめぐりあい宇宙”でのキャラクターのアップ。特に女性キャラクターが印象的だが、アップでしゃべっているだけのカットでも目パチが入ることでキャラクターが生き生きとしてくる。
“開き目→閉じ目→中目→開き目”のパターンと“開き目→中目→閉じ目→中目→開き目”のパターンが確認できたが、閉じるときに中目をはさまない前者のパターンが個人的に良い感じ。

目パチはキャラクターを生き生きと見せる

口パク
口パクも基本は閉じ口・中口・開き口の3枚で構成され、動画では中口を描く。
※動いているキャラクターに喋らせる“中セリフ”というものもあるが別項にて説明する。










上の歯が見える場合、歯の位置は固定すること。目パチとは逆でこちらは実際の人間の動きと合致する。理屈としては上の歯は頭蓋骨に固定されている為と言う事であるが、セリフの間中、歯が動くのが見苦しいというのがホントのところ。やっぱり見た目重視である。









ただし例外も少なくない。もともと大きな口のキャラや、アゴごと動かすような大口を開ける口パクなどは、上の歯も動かす事が結構ある。原画/演出に従うこと。
口パク例

口パクセル

上の歯が動く口パク例

横向きの口パク
横向きの口パクについては作品によって扱いが変わってくるが、通常の口パクと同様に別セルで口の部分だけを入れ替える方法と、合成を使用して顔全体を入れ替える方法がある。最近の主流は作業・管理のしやすい前者の様だ。 別セル方式の横向きの口パク例
別セル方式の口パク
別セル方式の動画


合成方式の横向きの口パク例
合成方式の口パク
合成方式の動画

口パクのタイムシートのつけ方について
原画マンによってはタイムシートに
“B-@〜Bセリフ”
等とざっくりとした指示で済ませているものも少なからずあるが、動画担当は基本的にすべてのセリフに口パク指示を書き込む。コツとしては“あ段”の発音の時は開き口を、“い段”の発音の時は中口や閉じ口をあてるように、多少リップシンクロを意識しつつ、同じ口が連続しないようにうまく配置する。
ちなみに動画番号の指定としては閉じ口→中口→開き口の順につけるのが通例。

口パクのタイムシート記入例
↑クリックで解説用タイムシートを表示

中目パチ・中セリフ
動きながら目パチをさせたり、口パクさせたりする場合、別セルにせず中割に描き込んでしまう。これを中目パチ・中セリフと言う。
通常は原画から指定されるが、タイムシートを読んだ上で必要と思われる場合、または動画としての判断で有効と思われる場合は独自に描き込む時もある。ただ勝手に描き込む事に確信が持てない場合は動画チェックや演出等に問い合わせてみるのが無難。
中目パチ・中セリフの例
次項の“振り向き”の作例をベースに、中目パチ・中セリフを適用